【ワーママのモヤモヤ】生産性が低い仕事、誰でも出来る仕事って何?

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先日知人の契約社員の方に正社員雇用について話を伺った際に、上司から言われたという言葉に考えさせられました。

「今の仕事は誰でも出来る仕事=生産性が低いから正社員として雇用できない」とのこと。業務内容は電話やメールでお客様対応でイレギュラー、クレーム対応もするし、その仕事がないと部署はまわりません。

言われたことをただやるという訳では決してなく、自分で問題点を見つけて解決したり、解決しない場合には提案もされる方です。

 

そして同じ仕事を正社員もしているのでそこに仕事の差は大きくありません。

直接聞いた訳でもないのでニュアンスや真意は分からないですが、私自身が言われたらどうだろう?と考えずにはいられませんでした。

 

正社員途用も視野に入れてキャリアアップをしたいと思っている矢先に言われたら理由として納得できるだろうか。

 

今の仕事を否定されている気になるし、理由もなくシャッターを閉じられているようでその先もどう努力していけばよいのか分からず苦しくなると思う。

話を伺った方も、仕事のモチベーションを保つのが難しく育児とのバランスも考えて転職も視野に入れていると仰っていました。

数値化しやすい仕事は生産性が高い仕事?

上司はプレイヤーでわかりやすくノルマを達成する・もしくはバックヤードでも商品企画で売上に直接つながるヒット商品を出す=生産性の高い仕事だと例に出していたそうです。確かに数値化できる業務は評価対象としては分かりやすい。だけど会社が成り立つにはそれ以外の仕事も多いですよね。そして管理職になるにつれプレイヤーの仕事は減っていくはず。

同じ考えを横展開すればその言葉はそのまま管理職であるその人自身の首を絞めているのでは?とふと思ったりしました。

 

ダイレクトに生産性だけを目の前に突き付けられるとしんどい。 

担当部署のコストダウンをはかりながら、売上を上げることが管理職の方にとっての「生産性が高い仕事」になるのならば、そこは1人で成し遂げたことではなく他のスタッフ自身が工夫して業務に取り組んでいるからこそ生産性が上がっている。 

 

「たかが」配慮? 「されど」配慮

 

生産性の定義を否定したい訳ではないけれど、一人一人の力あってこそ成り立っている。という根本的な所が抜けてしまっているので違和感を感じたのだと思います。 

 

営業だったら生産性が高い仕事になるのか、一体その線引きはどこでされているんだろう、と疑問が頭の中に広がっていきました。冒頭の発言は上司の価値観から発せられた可能性もありますが、そこはマネジメントする立場の方として話し方にもう少し配慮があるとお互いにいい関係を築けそうですよね。

 

「そんな言葉掛け一つで何が変わるんだ!」

と言われてしまいそうですが、そのたかがと思われる「配慮」が大きく人の行動を動かすのだと思います。

 

上司の「誰がやっても同じ」が透けて見えると士気が下がる

この話を聞いて庶務課のベテランの方が急に辞めることになって部署全体で参っている。という友人の話を思い出しました。

辞められるのは自分の仕事に誇りを持って40年以上庶務課に努めている庶務課のエキスパート。 新しく入ってきたスタッフに今までのスキルを全て伝えて育てていこう!と業務にあたっていたそう。そこで社内事情で突然その方が玉突き人事で異動を命じられてしまった。

 
詳細は分からないけど、上司の「誰がやっても同じ仕事だから、この部署で人事異動しても問題ないだろう」という考えが透けて見えたことで、やりがいを失い退職することになったようです。

 

皆さんはこの話を聞いて一番に何を思いましたか?

 私はベテラン女性にとっても、企業側にとってもこんなに哀しいことってないよな。と感じました。

ベテラン女性は、定年退職前に自分のスキルを全て伝えて人を育てることが課全体にとってよいという考えで業務にあたっていたが調整人事で心が折れてしまった。

 

企業側にとっては調整人事で特に問題ないだろうと思っていたところで思いがけず人材が流出することになる。喪失でもあり損失でもある。

 

雇用形態・業務内容に差はあれどそれぞれ誇りを持ってやっている。

もう少し俯瞰してみれば1人1人が自分の役割を果たして前向きに取り組めれば部署全体に取って数字が伸びるかもしれない。

長期的に見れば優秀な人材を育てて会社にとってプラスになるかもしれない。

 
一時的な「生産性」というものさしではかって、会社に長期的に利益をもたらしてくれるかもしれない人のやりがいを削いでしまう。そして結局退職し人が足りなくなった時に慌てる。

それこそが一番「生産性の低い」仕事だったりして。

仕事をする上で大事なことを再認識

今の私の時短勤務の仕事もそう見られているのかもしれません。誰でも出来る仕事で負荷が少なく突然抜けても問題ないと。

「ママ」「時短勤務」という属性、勤務体系だけでまだまだ冒頭のような考えの方の発言に出くわすことがあります。

 

冒頭と同じシチュエーションにあっても、会社、上司側の考えは受け入れつつ、そこで違和感を感じるところは自分の頭で考えて最適な方法を探したい。

 

今回自分の身に起こったことではないけれど、仕事をする上で多様な考えを持つ、相手の立場を想像する力をつける、長期的に見た最適解を探ることの重要性を再認識した出来事でした。

 

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